「いつかあえたら」というこの曲は、インスト好き、Fusion好きな僕が「歌」を作り始めてから数えて7曲目に当たる作品です。各配信サービスでは既に公開されていますが、「ボカコレという音声合成ソフトウェアの祭典がある」と知り、それに合わせて動画共有サイトでもUpし、できるだけ多くの方に聴いていただきたいなあ、と思った次第です。
このエントリーでは、制作当時の記録を参照しながら、完成までの過程を振り返ってみることにします。どうぞお付き合いください。
楽曲詳細
| タイトル | いつかあえたら |
| 詞・曲 | KoiKoi |
| BPM | 128.50 |
| 総トラック数 | 48トラック |
| キー | G♭ |
| ジャンル | インスト好きが作ったEDM |
BPMについて
BPM128.50の「.50」はなぜそうしたのか解りません。。。それは置いておいて、ひとまず下の画像をご覧ください。
これは僕なりのグルーヴの出し方、ノリの作り方なのですが、多くの曲では基準となるBPMを設定したら、1小節の間で±5前後の揺らぎを入れます。

最初の数小節はオートメーションを書いて、その後はある程度まとめてコピペ。フィルなどを入れるタイミングでは±10くらいまでの範囲で調整、聴きながら良い塩梅にします。ところが下写真にあるように、「いつかあえたら」は初めから終わりまでBPM128.50一定でした。

サウンドに振った作品
この曲の前に「めがさめたら」という歌でサウンドメイクを取り入れてみたところ、自分的にも新たな発見がたくさんありました。それを踏襲してサウンド面をより強化、発展させることに主眼を置きました。積極的にシンセを採用し、KickをトリガーにしたSAWのダッキング、M/Sなどの手法も採り入れています。
ちなみに「めがさめたら」と「いつかあえたら」この2曲を併せて、僕的に「たらればシリーズ」と呼んでいます。
いつかあえたらのコンセプトは…
曲制作の開始、一番はじめはDAWから離れ、ペンを持ち、ノートにアイディアを書き出すことにしています。これをしないと作っているうちに向かう方向が解らず迷走してしまうからです。その時のメモには
- 自分が踊りたくなる曲
- 4つ打ち
- シンセサウンド
- レトロ
- 極力演奏しない
- ベースを動かしすぎない
- 共感
- ゆらす
- EDM
等と書かれていました。その後、おおよそ40時間弱で編曲まで終わらせているようです。それ以降は作詞をしている。が…
作詞がしんどい
「歌詞に注意を払って歌を聴く」という事をしてこなかったことが災いして?作詞がとても苦手です。
きみとなら きみとなら であえるから
どこかで もしきみにあえるなら
という言葉は曲作りの早い時期に頭の中に浮かんでいました。しかしその他が出てこない。なんとか捻り出せた末、編曲が終わって10日後に作詞終了、と記録には残してありました。まあ10日とはいえ、その間に会社員としての仕事もありますし、1日の中で作詞にかけられる時間がどの程度取れていたか、までは定かではありません。でも苦手です汗
「いつかあえたら」のEquipment
ここからは誰得かわかりませんが、使用した機材やパラメータなどをご紹介しようと思います。しかし、全てを文章で表現しようとすると膨大になりますので、極力かいつまんで。音源を聴きながら読んでいただけると、音の細部に意識を集中できると思います。
SynthesizerV Mai
Maiさんのパラメータは下記の通り。特段偏った設定にはしていないと思います。この頃からいわゆる「歯擦音」が気になり始めます。DeEsserというエフェクトで緩和させることができる、ということをまだ知らないのでモヤモヤしながらMIXしていました。新たにMIXするにあたってDesserやトランジェントシェイパーを使用することも考えましたが、元の曲風を変化させてしまう恐れもあるため使用を見送りました。



Chorus
自分でChorusをつけようとしても、左右に配置した声がお互いに打ち消し合ってしまって、なかなか思うように行かなかったです。そこで、もうすこし手早く歌をChorusしてくれるツールはないかな?と探すとありました。SynthesizerVをモニターしたトラックにWAVESから出ている「Doubler」というエフェクトをかけています。とっても便利で、以降の曲でも大活躍です。

Drums
基本はableton Live付属のDrumRackを使用しています。
Kickは40Hzと60Hzを用意して低い方はDecayを短めにしていたようです。そしてこの曲はSynthのスネアが出現しない代わりにClapがずっと鳴っています。これもピッチと長さで音色を使い分けています。HHは今聞いても気が付かないくらい地味な存在でしたが、案外16分とか刻んでいました。へえー。






SUPERIOR DRUMMER 3のSDX「HIT MAKER」はアクセントとして使いました。プリセットは「New World」ですが、TomやSplashは間引いてません。少しビットレートを下げた処理を施してサチュレーションとディレイを混ぜ、それらをサイドへ広げています。思いつきでやってみたら、案外かっこよく鳴ってくれたので採用しました汗。今となってはこのアクセントが曲全体に渡って効いているように思います。

Bass
この曲は全て打ち込みです。Spireを3トラック立ち上げて、それぞれ
- センター 常に手前で1番よく聞こえるBass。歯切れの良い音を選びました。EQでのローカットなし。
- センターの少し奥めで、多少広がりが感じられるくらいにリバーブをかけたBass。曲全体の低音を支えている部分です。
- M/Sでサイドのみに振り切り、40Hzくらいから緩やかにローカットしたBass。鳴ってる感は醸し出したかったので少し耳につく、チリチリした感じの音を出してます。
に割り振っています。今確認してみたら3トラックともSpireをインストールすると貰えるプリセットの音色でした。パラメータをいじり倒したり等、特別なことはやっていない様子です。
Spireが18トラック
全48トラック中、18トラックでSpireを使用していました。この曲を作っている当時は他のSynthはGTX-99しか持ってなかったからだと思います。PluckやStrings、FXっぽいベル音はちょっとしか鳴らしてませんが全てSpireでやっていました。
LEAD
SpireのLEADプリセットと、少しPluckっぽい音の2トラックを用意。そのうえでギターと同じフレーズをユニゾンで打ち込んでいます。実際に弾いているギターの休符や音の切り方に合わせてSpire側のノートを調節しました。
まとめ
取り止めのないエントリーを最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
実はこの「いつかあえたら」という曲を発表した後から半年と少し、創作が苦しくてなにもできなくなってしまう、という事態に陥ります。理由は様々ありますが、自分で設定した締切に首を絞められるという本末転倒な状態になってしまったということ。それと、
彼の方はこんなに短期間であんなにすごい曲をつくっている。一方自分はその倍以上かかっているぞ
みたいな焦りです。とはいえ、今はこうしてエントリーも書いてますし、新しい曲もスローペースですが制作できております。これについてはまた別の機会で書きましょう。
このエントリーを読んでくださったあなたへ、心からの感謝を。