【DTM】インスト好きSynthesizerVを知る -In The Roomができるまで-

SynthesizerV Mai In The Roomサムネイル

この「In The Room」という曲は、SynthesizerVを用いた歌モノ作曲の一番初めにできた曲です。今聴くと拙い部分が散見されますが、その分最新曲の「恋の最小単位、探してます」と比較すると、自身でも創意工夫の結果が聴けて面白いです。このエントリーでは「In The Room」を題材に据えて、制作過程や音楽理論的な観点から曲を振り返ります。どうぞお付き合いください。

目次

In The Roomの楽曲データ

タイトルIn The Room
詞・曲KoiKoi
BPM132
総トラック数26トラック
キーC A♭
ジャンルennui

BPMは意外にも132と結構速め。ドラムの音数が少ないため遅く聞こえるのかもしれません。ジャンルは単に「Jpop」でも良いのですが、「ダルさ」を念頭に置いて作曲したので「ennui」としました。年季もののTシャツくらいダルダルです。
そして曲のAメロは、キーCでした。BメロになるとA♭へ転調しているようです。これについては後述します。

インスト好きSynthesizerVを知る

「In The Room」を作る以前はインスト曲・Fusion系の曲、それだけを制作していました。しかし悲しいかな。インスト、特にFusionってなかなか人目に(人耳に?)つきにくいジャンルなのです。でもやっぱり作ったからには誰かに聴いてほしい。じゃあ歌ものを作りましょうか、と言うだけなら容易いですが、自分が歌うには歌唱の訓練をしてこなかったので聴くに耐え難い。誰かに歌っていただくようなツテも実力もない。では初音ミクをはじめとするボカロを使えば良いじゃないか、となりますが、どうにも馴染めない汗。そんなインスト拗らせをしていたある日のことでした。

とある作曲家さんがYouTubeでSynthesizerVを用いた配信を行なっていました。その配信時に流れていた曲のボーカルはAIだという。
「え?!これAIなの?人だと思って聴いていた」と腰抜かしたと同時に、一縷の望みを見た気がしました。つまり

これは、僕のように歌が上手じゃないけど(カラオケは好き)歌を作りたい、そういう人がたくさんいるなかで光り輝くんじゃないか。

そういうふうに思ったんです。その後すぐさま購入して現在に至ります。素敵なツールを提供してくれた製作者の皆さんに感謝です。

インスト好き作詞をするの巻

SynthesizerVを手に入れてからは、「どんな曲を作ろうか」などと、悩む間はありませんでした。劇作とか、某携帯ゲームのシナリオ書いたり、またこうしてブログを書いたり、といった文章を書いたりすることは好きなので、まず物語を作ろう。としました。となると、設定となる舞台が必要です。そこで思いついたのが一幕ものの密室劇。暗転がなく、開演から開幕までほぼ同じ場所、空間で起こる劇です。
さらにミステリー仕立てにしたいなあ、という発想から

倒れたグラスに
散らばったコイン
雑に脱ぎ捨てたドレス

下品なトワレと
安物のワイン
乱れたシーツの香り

といった、ちょっと薄暗くてあぶない感じを醸し出してみました。初めて行うことは大抵、勢いとか力技でも完成までは漕ぎ着けられるものですね。

メロディづくりについて

少しは音楽ブログっぽいことを。ということで、僕の拙い音楽理論を掘り起こしてメロディも分析してみます。

Aメロ

「In The Room」Aメロ

lalalaで始まる冒頭は、Bdimという不穏な雰囲気汗。どうして不安定な始まり方なのかと考えてみたのですが、単純に「うつした」と同じフレーズを冒頭に持ってきただけ、と捉えられます。そして記録を参照してみて驚いたのですが、AメロはガッチガチのCメージャースケールでした。

Bメロ

「倒れたグラスに」

ここからA♭キーと解釈しました。が、完全に転調しているか、というとそうでもないように思えます。
「たおれたグラスに」の、たおれ「た」は調性の短三度。
「グラスに」の、「に」は、次にくるB♭調の第七音にあたります。
「ちらばったコイン」はB♭調に部分転調してると解釈すると、全て調性内の音ですね。。。。たぶん。
「ざつにぬぎすてたドレス」
長六度と短七度、長7度を行ったり来たりしていますが、ブルーノートを聴かせたいのでしょうか。もうよくわからない汗

サビ

しずかなざわめき

ようやくA♭キーが明確になる感じ。この調は第4音(下属音)がD♭、第5音(属音)がE♭にあたります。その間のD音と「とじこめて」の、「じ」がD音で同じ。A♭メージャースケールの第四音と第五音の間にあるブルーノート。これが気だるさの要因だと考えています。

In The RoomのEquipment

ここからは誰得かわかりませんが、使用した機材やパラメータなどをご紹介しようと思います。

編成は極シンプル

  • Vocal
  • Key
  • Bass
  • Drums

だけ。なのでMIXも手の込んだことはやっていません。基本は各パートの音量調節です。

SynthesizerV Mai

Maiさんのパラメータは下記の通り。特筆はEmotionalのかけらもなく、テンションがMax低い笑。指先も凍る冷ややかさです。。。SynthesizerVを導入して間もない為、各パラメータがどんな作用をするのか解らず使っていたのでこんな状態になっています。

スクロールできます

Key

Primier Sound FactoryのPIANO Premier “at first light”とMK-1 Stage Premier Gをレイヤーさせています。僕は鍵盤楽器をほとんど弾けませんので、全て打ち込みです。ベロシティ調整もほぼ行っておりません。
RhodesのトラックにはEQだけ刺されていました。

結構キツめに低域をカットしているようです。

Bass

Moon JB5を使用。自身で弾いた録音を採用するようになって最初の曲は「丸の内南口19:05」次が「yet」そして3曲目にあたるのがこの「In The Room」となりました。SlapがやりたくてBassを始めたにも関わらず、この3曲全て2フィンガー弾きです汗。
ableton Live上に2トラックを用意し、1つはRadial J48というD.Iを通ったLINE録音専用トラック。もう一つはAmpeg SVTを差し下記の設定でレイヤーしています。

設定は特にこだわりや裏技小技などはなく、単に「良いなあ」と感じた設定にすぎません。
ちなみにこの「In The Room」という曲では、2つのBassトラックをまとめたBusトラックにエフェクトは何もかかっていませんでした。「Busコンプで音をまとめる」という方法を知る前だったのだと思います。

こういう2フィンガー弾きをする際に、ベースラインの参考にしたいのはJames Jamersonのベースラインです。オクターブを縦横無尽に行き来している上に半音の使い方が素敵。ちなみに2フィンガー奏法の時の参考、と申し上げましたがご本人は人差し指1本で演奏していたようで「ザ・フック」と呼ばれていたようです。。。

Drums

SUPERIOR DRUMMER 3のSDX「HIT MAKER」のCenterStageキットを使用しました。タムはハイとフロアを1つずつ残して他は外しています。このHIT MAKERというSDXはRideが気持ちよく鳴ってくれるのでお気に入りです。

画像の通り、かなりシンプルなセット。BDは口径小さめです。サンプリングのDrumsはベロシティでニュアンスを出していきたいという思惑があるので、こんな感じのセットにすることが多いです。

おわりに

といった感じで長々と書いてきましたが、楽しんでいただけたでしょうか。これ以上書き続けると落とし所を見失うので、この辺りにしたいと思います。また、あるかどうか判りませんが、ここが知りたい!とか、質問とか企画とかタレコミとか、ございましたらSNSなどでお知らせいただけると大変励みになります!

このエントリーをご覧いただいた方に、心からの感謝を。

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