SynthesizerVを用いて歌モノを作るようになってから数えて10曲目になりました。ひとりで曲を作ることはもちろん可能ですが、聴いてくれる人が誰もいなければ続けること自体が困難。曲数を重ねることができたのも、聴いてくださる方があってこそです。本当にありがとうございます。
このエントリーでは「旅をせよ。汝、恋をするなら。」を題材に据えて、コンセプトや制作過程。セッティングなどについて書きます。どうぞお付き合いください。
楽曲データ
| タイトル | 旅をせよ。汝、恋をするなら。 |
| 詞・曲 | KoiKoi |
| BPM | 101くらい |
| 長さ | 02:55 |
| 総トラック数 | 29トラック |
| キー | A♭ |
| ジャンル | J-POP |
本曲のBPMは101。前回曲「うわさの7-90-8エクスプレス」の178と比較すると。だいぶ落差があります。編成はシンプルでVocal、Key、Bass、Drumsだけ。Keyは左手ピアノ、右手はB3という配置です。ジャンルは特に指定しておらず、日本語のポップスですからJ-POPとしました。
コンセプト
YouTubeなどで曲を単発公開していると、昔で言う「シングル」的な曲調になりがちです。個人的にこの傾向はあまり好ましく思えないので、自分の中でひとつ設定をし「6曲入りのEPを作る」と仮定しました。そのEPの中でもリスナーを落ち着かせる曲順。ラスト、もしくはラスト1つ手前に配置するような曲調をめざしました。「うわさの7-90-8エクスプレス」はEPの2曲目、という設定ですがそれは余談。
作曲前の手がかりは「花びらを追う」
僕はDAWに向かって作業する前に、曲のイメージや手がかりを言葉で書き出すことをするのですが、記録には
- もうもどらない
- 雨が止んだ隙に
- 傘をひとつ
- 夜明け
- パスポート
- しっとりする
などという言葉が並んでいました。今気付いたけど「もどらない」なんてのはそのまま歌詞として採用されていますね。けれど、「桜」や「恋愛」を連想する語句は見当たりません。
ではどこからインスピレーションを借りてきたか、というと「うわさの7-90-8エクスプレス」のアイディア出しです。キーワード書き留めのひとつに「花びらを追って」というのがありました。それを流用したのと、「恋の最小単位探してます」のタイトル案で候補を沢山書き留めていた中の「旅をせよ。汝、恋をするなら」もそのまま横流しました汗。しかし、うまく融合(Fusion)したと思います。
最近のことですが、ひとつのピースを探し回るのでなく、至る所からかき集めた沢山の素材から、及第点を選んで他を捨てる。その方が創作している時の心持ちとしては健全なような気がしています。
楽器を極力弾かない
この曲ではベースのみ自分で演奏しています。さほど難しいラインではありませんが弾いてみてハッとしました。なぜなら、編成がシンプルなだけにミスるとはっきり判る。上物でカバーもできない。現在もそれほど上手な楽器ではありませんが、なんとか聴けるとこまで持っていくために練習して録音に臨んでいます。決して一発OK、なんてことはありません。
その他、鍵盤は基本打ち込みで、単音のオブリガート的なフレーズはリアルタイム録音をしました。ドラムは録音できる機材持ってませんので完全打ち込みです。
作詞について
じつは僕の手元には、詞ができあがらずお蔵入りしている曲が沢山あります汗。ところがこの曲は、自分でもびっくりするくらい、すんなりと書き切ることができました。きっと曲タイトルの持つ力だと思います。
最近はメロディと歌詞のマッチングを考慮して、ひらめいた歌詞に合わせてメロディを変更したり、またその逆、ということもある程度柔軟にできるようになってきました。少しずつ作詞力がついてきたのかもしれません。
雨ふり 時々 花ふぶき
ヒラリ 花びら
上記の歌詞部分は、元々さらに音数が少なかった箇所です。しかし、イメージ書き留めの中にあった「雨が止んだ隙に」というのを膨らませて、「雨ふり 時々 花ふぶき」という情景が浮かんできたためメロディの方を変更した例です。
メロディづくりについて
今回はアンサンブル的にはあまり手の込んだことをやっていませんが、Aメロをもってきました。

※↓音が出るので注意してくださいね
作曲の最初期、モチーフ作りの時にできていたこの曲の根幹になるシーケンスです。このメロディができた時には、ほぼ同時にドラムの基本パターンもできていたと記憶しています。僕がいちばん作りやすいキーはA♭、ノリやすいテンポはBPM100〜115くらいだとおもっていますが、この曲はまさにその通りになっていますね汗。
今聞いていて思ったのですが、ドラムとメロディの絡みはなんとなく「What’s going on」からインスピレーションを借りてきてるんじゃないかなー。
アレンジについて
ちょっとラグタイムっぽい感じを醸し出す四分音符主体のピアノ伴奏は、下記の2曲から影響を受けていると思います。ともに僕が最も敬愛する作曲家、岡素世さんの曲です。
両方とも同時最大4音しか鳴っていない。今はDAWで好きなだけトラックを増やせますが、4音でも曲として成立する、むしろ4音で説得力がなければ、曲としては破綻してるんじゃないか。ということを再認識させてくれる。
ちなみに遊遊記は「エンドロール」もすばらしい。とくにラスト5小節はメロディとベースが固定されており、内声だけを次々と展開している。こんな曲が作れるようになりたいモノです。僕が以前打ち込みコピーしたものを貼ってみます笑
Equipment
ここからは誰得かわかりませんが、使用した機材やパラメータなどをご紹介しようと思います。ですが、今回はバンドサウンドが基本となっている為、あまり特殊?なことはしていません。
主なグループトラック名
- Vocal
- Mai
- Key
- Piano
- B3
- Bass
- LINE
- Ampeg
- Drums
- Superior Drummer
- BD
- SD
- HH
- HT
- FT
- CRASH 01
- SPLASH
- CRASH 02
- CRASH 03
- RIDE
- CHAINA
- Superior Drummer
今回は、コーラスもありません。
SynthesizerV Mai
このエントリーの執筆時点でSynthesizerV2はすでにリリースされておりますが、使用しているのはV1です。例の如く、パラメータいじりはほとんどしておりませんので、今回はMaiさんの設定は割愛です汗
B3
メロディとベース、内声ひととおりが出来上がったところで全体を眺めると「この曲にはB3が合うんじゃないか」と思いました。しかし、鍵盤はほとんど弾けませんので打ち込みとリアルタイム録音を併用してフレーズを作っています。
B3のプラグインは様々なメーカーから発売されていますが、使用したのはUADからでているやつです。それのGospel Shoutというプリセットを使用しています。

Bass
Fujigen NJ-200を使用。2フィンガー奏法で弾いています。

例に漏れず、Radial-J48を通ったLINEそのままのトラックとAmpeg-SVTVRを通したトラックのレイヤーです。
話は前後しますが、Cメロ部。ここはベースも調性外の音を持ち出してる。僕は音楽理論に明るくないので、「これで良いのかな」と少し不安に駆られていました。それと、内声がどうにもうまくまとめられなかった。なのでココだけ内声がほとんどなく、ピアノはお休み。B3はボーカルのユニゾンをとりました。結果的にその後に盛り上がりが作れたのではないかと思っています。結果オーライ?というやつです汗

Drums
うわさの7-90-8エクスプレスで使用したNew World Kitを基本として、スネアはHIT MAKERから6.5×14″でシャカシャカとスナッピーが効いたものを選択。バスドラも口径小さめで、「ポスッ」としたニュアンスのものに変更しています。シンバル類は変更なしです。

僕はドラムはできませんし、全ては打ち込みなんですけど、ちょっとでも大好きなドラマー沼澤尚さんのニュアンスに近づきたいと思っています。
角松敏生さんとこのやつ。
おわりに
といった感じで長々と書いてきましたが、楽しんでいただけたでしょうか。曲名で「旅をせよ」なんて偉そうなこと言っちゃってますが、もうこれは語感で決めたようなもんです。ふらりと出かけられる陽気になってきたので、気が向いたらこの曲とともにお出かけしてみてください。また、ここが知りたい!とか、質問とか企画とかタレコミとか、ございましたらSNSなどでお知らせいただけると大変励みになります!
このエントリーをご覧いただいた方に、心からの感謝を。